6月に工事が始まったこともあり、とにかく忙しく動いていました。倉庫の掃除やチラシの作成、工事前に近所のあいさつ回りなど開業に向けて動き始めていたので「やっとここまで来たか」という感覚でしたね。少し落ち着いたので、6月に出かけたり友人に会ったりなどしたのでまとめていきます。
しぶかわ普通じゃないこけし展
今後、7月後半あたりに少しやってみたいことがありまして、そのことを渋川市役所の商工振興課の方に相談しました。そこで現代こけし作家の大野雄哉さんを紹介していただきました。
大野さんは渋川市が創作こけしの後継者育成のために作った、「地域起こし協力隊」として採用された方で、現在は県内各地の工房で武者修行を重ねています。大野さんが作った妖精が踊る姿をイメージした創作こけしは、ことし2月に行われた県の創作こけしのコンクールで入賞を果たしました。柔軟な発想力や個性を生かした自由度の高い作品は、見た人を楽しませる魅力あるこけしとなっています。
大野さんから「今度、展示会をします。」と聞いたので、行ってきました。渋川市役所第二庁舎あじさいホールにて開催されている『しぶかわ普通じゃないこけし展』。
実は、渋川の特産品としてこけしがあります(ジム開業するまで知りませんでした…。)渋川の伝統工芸品である「創作こけし」の展示会であります。
じっくりとこけしを見る機会が、今までなかったので「これがこけしなのか!?」と思う独創的なものが多くあり、かなり楽しむことができました。こけしを知らない方にも楽しむことができる展示会になっていたと思います。
そこで感じたことは、「時代とともに姿・形が変化する」ということです。私自身、考え方や行動というのは変わっていくことが多く、「前に言ってたことと違うじゃん!」と言われることもあります。当たり前なのですが、日々いろいろな人や物事、コンテンツに触れていると、どうしても影響受けることがあり、考え方をチェンジすることがあります。「あまり物事に執着しない」「今が楽しければいいや」という考え方が根本にあるからだと思います。「昔は良かった事が、現代ではだめ」というように時間の流れとともに、時代が変わるとともに、姿や形、考え方や文化など変わっていくのだと思います。
こけしもそうで、皆さんが知っている形とは違って現代こけしは様々な形に変化しています。本来は、玩具人形として発生したこけしでしたが、時代とともに民芸品、美術品として評価されるようになり今ではヨーロッパでこけしブームが到来しているようです。昔ながらのこけしもいいと思いますが、現代こけしは作家さんの思いを形にしやすく、表現しやすくなり、現代の人にも受け入れやすく親しみやすいものに変化していると感じました。
クライミング文化にも言えることで、オリンピック競技になったことで、自分が7年ほど前から趣味として始めたスポーツがこの短期間で窓口がかなり広がり、協議人口もかなり増え、客層も変化しているように感じます。クライミングは、まだマイナー競技であると思いますが、2019年「ONE TEAM」が流行語大賞に選ばれたラグビーブームまで近いとは言えないが、着々と火種は大きくなっていると思います。プロクライマーがCMや雑誌、スポーツ番組に起用されることが多くなり、クライミング業界も今が踏ん張りどころのような感じがします。
KATASHINA MOUNTAINS SERIES大会HOTAKA SKYRACEを観戦
6月19日にKATASHINA MOUNTAINS SERIES大会HOTAKA SKYRACEを観戦してきました。大学からの友人であるサロモンアスリートの反中祐介くんに誘われたことがきっかけで初めてトレランの大会を観戦しました。いくつかランニングイベントに参加したことがありますが、選手、スタッフの方々もなんか作業感があって、参加者との距離感が遠い感じがしました。選手は『記録や順位』を目指し、スタッフは『仕事やボランティア』なので仕方ないのですが。トレランのイベントは選手とスタッフとの距離感が絶妙なバランスで雰囲気がかなり良い感じでした。驚いたのが順位を競い合う大会なのに、スタートがかなり緩い感じで始まり、選手のみんなが「レースに挑む」というより「行ってきまーす!」のような感覚で楽しかったですね。ゴール時には、犬と一緒にゴールしたり選手同士が応援したり、ゴール前でハイタッチやグータッチするなどフランクな感じで、参加している人も楽しいだろうし、見ているこっちも気分が良かったです。
招待選手の方々も、スタッフの方々も「トレランを楽しむ」「トレランの良さを広めたい」という方が多く、トレランをやったことのない私も非常に楽しむことができました。
競技性が高まるクライミング
近年、オリンピック種目に選ばれ、日本人選手が活躍したことでクライミングや競技人口の広がりをみせています。競技性や勝ち負けの要素が高まることで多くの人に知れ渡り、プロアスリートやスポンサーが増え、クライミングの認知度が増えていくと思います。一方、競技性が高まることで参加しにくいスポーツになることが心配です。そもそも、自分がはまったきっかけなんて、「ジムで仲間とおしゃべりする」ことが楽しくて続けられたスポーツであり、「強くなりたい」なんて思ったのもここ最近です。『楽しい』という感情がなかったら続けてないし、そもそもボルダリングジムを作ろうと思ってなかったです。初めて通ったジムがアットホームな環境で、目の前の課題を登る、仲間と一緒に課題を攻略していく感覚が競技性を感じなかったことの大きな要因だったと思います。(たまに、この人より先に登りたい!って思うこともありますが…笑)
反中くんと一緒に登ったボルダリングジムもそういう感覚で。オーナーさん、常連さんも楽しく関わっていて、そういったアットホームなジムってなんだか私の肌に合っている気がします。オーナーさんがクライミングの知識も豊富な方で、ジムを作ることを伝えると、いろいろな話が聞けてうれしかったですね。
ボルダリングジム「空の向こうへ四足歩行」 通称「そらよん」
〒 108-0071 東京都港区白金台5-14-1 白金台アパートメントB1
※「セブンイレブン白金台プラチナ通り店」が入居しているビルの地下1階。
月曜~金曜 : 13時~23時
土曜 : 12時~21時
日曜・祝日 : 12時~21時
ランドマークとしてのクライミングとの関わり
競技としての価値観が高まるクライミングですが、ランドマークは『初心者・中級者向けのジム』を目指しています。ボルダリングジムなのでクライミングを楽しみたい!という方はもちろん大歓迎ですし、お客さん同士でおしゃべりしたいといった登ることをメインにしていない方もいると思います。そのため、コンセプトを「登る人も登らない人も空間を共有できるジム」にしています。最初は、私のようなに「ジムで仲間としゃべったりする」ことがきっかけで登ることが好きになる人もいると思います。
競技力を高めること、勝負にこだわることを否定するつもりはありません。というのも私自身、勝負事が好きな方だし、強くなりと思っているし。
ただ、競技性が高まることで、勝負にこだわすぎて「楽しむ」ことを忘れないでほしい。「強くなりたい」という思いを重きにしすぎて、ボルダリングを「人と関ることを楽しむツール」などにしている人を排除しようとする動きにならないように『競技性=楽しむ』のバランスを大切にしていきたいと当店は考えています。最初は、「強くなりたい」という思いじゃないけど、私みたいにハマる人がいると思うので。「強くなりたい」好きも「強さよりも楽しく登る」好きも同じ好きであって、気軽にボルダリングが好きです。といえる人が増えたらいいなと思っています。好きのレベルを競い合うことなんて意味ないと思うし。
『しぶかわ普通じゃないこけし展』とKATASHINA MOUNTAINS SERIES大会HOTAKA SKYRACEを見て、変わっていく良さと変わっていかないでほしい良さの両方を感じ、ランドマークをどのような場所にしていきたいか、どの方向に進めていくか、クライミングをどう向き合っていくかを改めて考え直すきっかけになりました。そんな6月でした。