前回は、融資の種類やメリット、デメリットを説明しました。今回は、創業計画書の説明をします。内容は詳しく書けませんが、骨組みなどの説明は出来るかなと思います。まず、創業計画書を作る前に後悔しない事業の見通しと創業者の鬼門〜融資の話〜をご覧になっておくことをオススメします。
日本政策金融公庫の創業計画書
日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、HPにある創業計画書をダウンロードする必要があります。記入例があるので、それを参考にしながら書いていけば大丈夫です。しかし、記入欄が狭いため詳しい内容を書きたいと思っても書くことができません。簡潔にまとめられるようであれば、一枚でいいいですが、私は無理でした。そのため、大まかな概要などを日本政策金融公庫の計画書に記入して、また別に創業計画書を作ることをオススメします。
創業計画書をPowerPointで作成する
ここからは、自作した創業計画書の内容を説明していきます。まず、WordかPowerPointで作るか迷われる方がいると思いますが、個人的にはPowerPointをオススメします。PowerPointにはテンプレートがあるので編集がやりやすかったり文章と画像のバランスがとりやすかったりします。個人的には、文章多めになりやすいWordよりもPowerPointで作って、画像や表、図などを入れることをオススメします。文章だけの書類より所々に画像があった方が見てる人もイメージしやすいし飽きないと思います。
創業計画書の目次
PowerPointを開いたら、創業計画書を作っていきます。流れはこんな感じ
- 表紙
- 代表者プロフィール(学歴や職歴など)
- 事業の経験(事業に関わる職歴、経験、技術面)
- 創業の動機(なぜ、開業しようと思ったか。)
- 取り扱う商品の説明(何を販売して利益を出すのか)
- 商品の魅力(他の商品にはない強み)
- 取り扱う商品・サービスの内容(実際に開業した際に取扱商品・サービスの内容)
- セールスポイント(サービス・商品の良さ。自分の強み。他社にはない当施設の強みなど。)
- 販売ターゲット(どの層に売り込むのか)
- 販売戦略(どのように商品を売り込んでいくのか)
- 競合・市場など企業を取り巻く状況(商品の市場価値、出店地域の状況)
- サービス提供イメージ(サービスや商品の価格など)
- 売上予想(月にどれくらい人が来るか、どれくらいの売上げが出るか)
- 事業の見通し(月の売り上げをどのように活用し、手元にどれくらい残るか)
- 建物の住所、マップ
ざっとこんな感じです。「もっと書く人」もいれば、「こんなに書かないよ」という人もいるかと思います。Amazonで「創業計画書の書き方」と調べると参考書がたくさん出てくるので、一冊くらいは買っておくといいかもしれません。漫画でわかるタイプの物が、読みやすく初歩的な内容まで書かれているので個人的にはオススメです。
以降は補足が必要なものだけ、ピックアップして説明していきます。
代表者プロフィールと事業の経験
プロフィールには、経歴を書いていきます。最終学歴から今に至るまでの職歴など書いていけばいいと思います。事業に関係する経歴は、積極的に記入しましょう。例えば、クライミングジムで○年勤務、経営を学ぶために講座に通ったなどです。
事業の経歴には、勤務経験やボルダリングの経験、競技レベルなどを書いておくといいかもしれません。あとは、どんな講座に通ったか、研修内容なども書いてもいいかもしれません。
創業の動機
なぜ、ジム開業するのか動機を書いていきます。「ボルダリングが好きだから」「ボルダリングを広めたい」だけだと、かなり厳しいでしょう。融資面談の時に「ボルダリングが好きだから、ボルダリングジムを開業したいです。」が動機だとすると、「自分の趣味の範囲でやってください」「既存のボルダリングジムを使用すればいいでしょ」など反論されるでしょう。なので、好きと言う気持ちは大切ですが、それだけではいけません。
サッカーや野球、水泳、陸上競技など、多くのスポーツがある中、なぜ「ボルダリングでないといけないのか」という部分にフォーカスすることが大切だと思います。
商品の説明と商品の魅力
商品の説明は、大まかでいいと思います。ボルダリングだったら、「リードとは違って、高さ4mくらいの壁を登ること」のように簡単でいいと思います。したことない人、そもそも知らない人からすると、「ボルダリング」ってなんですか?どんなスポーツですか?となります。初めての人にもわかりやすい説明を書きましょう。
商品の魅力には、ボルダリングをすることのメリットやボルダリングジムの良さを説明します。ボルダリングには、「〜というメリットがあります」「ジムにはこんな良さがあります」みたいなことを書いていきます。他のスポーツにはない良さが必ずあると思うので、よく考えてみましょう。
取扱商品・サービスの内容
ボルダリング経験者であれば「ボルダリングを扱います」でわかると思いますが、それ以外の方は「ボルダリングって何?」となります。そうならないために細かく説明します。ボルダリングであれば、「壁についたホールドを手と足を使って登る」となります。自分なりの言葉でいいと思いますので、イメージを浮かびやすくするために細かく説明しましょう。
セールスポイント
取扱商品の良さや他にはない強み、自分の持ち味をどう事業に生かすかなど書いていきます。
相手に自分の事業を売り込むと意識して、文章を考えると書きやすいです。また、「売り込む」というよりお客さんの「悩みを解決する」意識で考えました。「この商品を買うとこんな良いことがありますよ」も大切ですが。「こんな悩みを持っている方にオススメです。」のように買う目的や買う側のメリットが分かりやすい方がいいと思います。
販売戦略
どのように、サービスを売り込んでいくか、何を使って広めていくかなどを説明します。インターネットを活用したり、チラシを配ったりなど、いろいろな方法があると思います。試してみないとわかりませんが、戦略を立てたことで売上が増えたり他社にないサービスが提供できたりします。何も考えずに、「ただ作りました!」だと絶対にうまくいかないので、自分の商品やサービスを生かした戦略を立てましょう。
競合・市場が取り巻く状況
これは、ボルダリング市場が現在どのような状況になっているかを説明します。例えば「オリンピック競技に選ばれたから、注目度が今後も上がります。」みたいな感じで、市場価値があるかどうかを説明しなければなりません。今後、衰退していくものに挑戦したところでリスクが高いし、そもそも融資がおりない可能性が高いです。そのため、「この事業が価値あるものである」という証明をしなければいけません。
画像や表、図などが入った計画書にする
以上になります。文章が多めの書類を作るよりも所々に写真や表、図などが入っている方がいいと思います。理由としては、わかりにくいのと飽きてしますからです。融資担当者によっては、必ずしも隅々まで読むとは限りません。写真や表などがあった方が自然と視線が動くでしょう。自分で工夫しながら相手に伝わりやすい創業計画書を作りましょう。