ボルダリングジムに最適な物件~よくある問題編~

 物件の条件が分かりましたので、いよいよ最適な物件を探しましょう!物件が見つからないと、ボルダリング壁の規模や内装工事、そもそも見積もりが出せないのでお金を借りることすらできません。物件なんてすぐ見つかるだろう!と軽い気持ちで考えていたのが間違えでした…。

 前回、物件の条件を7つ提示したと思います。結論から言うと全ての条件を満たした物件は、100%に近い確率でないと思ってください。どこかで妥協点を見つけるか、自分で土地を購入して建物を建てるしかないと思ってください。では、ボルダリングに適した物件探しが難しい理由を説明していきます。

ボルダリングができる倉庫を探す

 結論から言いますと、ボルダリングジムに適した物件は倉庫だと思います。ほとんどのジムが倉庫を使ってボルダリングジムを経営しています。

 理由としては、一般的な建物だと天井の高さが、約2.5mくらいだからです。通常の貸店舗だと、天井の高さをはさほど必要性ないので、床から天井までの高さが4.5mもあるはずないです。この時点で、一般的な貸店舗は借りれません。不動産屋に行ったら、「2階建ての建物の天井をぶち抜きましょう!」と大胆なことを言われましたが、解体費用が半端じゃないので難しいですね。大家さんが解体費を負担してくれるなら話は別ですが…。なので、倉庫もしくは、工場などの天井が高い平家の建物を探しましょう。

倉庫物件の探し方

 物件の探し方ですが、主にネット検索でいいと思います。ここからは、より多くの物件を見つけるために行ったことを紹介していきます。これは実際に私が行ったやり方です。

1.ネット検索

誰もが最初にやる探し方だと思います。これで見つけるのが手っ取り早いと思います。

2.不動産屋に行く

 ネットに出てない不動産情報を持っている可能性がありますので、実際に行ってみるのもありだと思います。ですが、基本的に貸してない期間は、大谷さんは不動産収入がない状態なので不動産屋のHPやネットに出てないものは少ないと考えましょう。

 それと、なるべく建物は正方形に近い形の方が良いです。理由としては、細長い長方形の建物の場合、ボルダリング壁が向かい合う形で施行すると、安全確保ができない、マットを敷くスペースがない、そもそも壁と壁が干渉して施工できないなどの可能性が出てくるからです。

3.出店したい地域に行って探す

 この方法で長い期間探していました。理由としては、「自分が使っている」「面倒で行ってない」など、物件は持ってるけど不動産屋にお願いしていないケースがあるからです。そのため、実際に車や歩いて何時間も探しました。

Googleマップで出店地域を見る、もしくは車や歩いて探す→倉庫のような物件を見つける→不動産屋に行って持ち主を特定してもらう→持ち主に連絡する→交渉

と言う流れで探しました。1年半くらいは、この方法で探しました。持ち主の住所がわかっても連絡先がわからない場合は、実際に家に行って交渉したり不在の場合は連絡先と連絡した理由を手紙に書いてポストに投函したりしました。何日たっても連絡がない場合は、迷惑にならない程度に周辺住民の方に理由を説明して、「連絡取る手段」や「いつなら在宅中か」を聞いて大家さんに伺ったこともあります。

そんなことを地道にやっていると、時間はかかりますが何件か見つかります。

物件を見つけた後の問題点

 倉庫物件を見つけて一安心…かと思いきや、問題点がいくつか出てきます。これもかなり厄介だったのでお話しします。

1.設備が不十分

 物が残置してあるケースがあります。それは腹を括って掃除をしようと思ったのですが、設備が不十分の場合はどうすることもできません。そもそも倉庫は物をしまったり物資を保管したりする場所なので、良い物件を見つけたとしても、水道が通ってない、浄化槽がない、トイレがないなどのケースがほとんどです。金銭的に余裕があれば設備投資をして作れますが、私はそこにお金を回す余裕がなかったので断念しました。

2.立地条件

 倉庫は商業目的で建てられたわけではないので、住宅街から離れた場所や人目につかない場所であるケースがあります。そうすると、ボルダリングジムを開業したところで、広告や周知をうまくしない限り難しいと思います。そもそも、「ボルダリングをするためにそこまで行きたくない。」というお客さんが出てくる可能性など様々な問題が考えられます。

3.用途地域

 都市計画法の用途地域という物があり、そもそもその地域では商売ができない可能性があります。ネットで用途地域は検索できるので調べるか、出店地域の役所に問い合わせてみましょう。

4.倉庫物件の少なさ

 そもそも倉庫物件が少ないのが現状です。また、コロナ禍で宅配サービスの需要が増え、倉庫物件は人気だそうです。特に50坪〜100坪くらいの倉庫は使い勝手が良く、個人運送会社や建設会社などに人気らしく、競争率が激しいと聞きました。立地が良く駐車場の広い倉庫は、滅多に情報が出ないようで、タイミングよく見つけても、すでに借り手が見つかりましたと言う事もあります。早め早めの行動が大切です。

5.消防法

 倉庫物件と商業目的の物件では消防設備も変わってきます。必ず、不動産の図面を持って、消防署に問い合わせましょう。「ボルダリングジムを開業したいので、消防法の確認をお願いします。」と伝えれば面談日を決めてくれます。窓を塞ぐような形でボルダリング壁を作った場合、「窓の面積が足りないので、増やしてください。」と言われることもあります。消防設備が不十分だと法令違反に問われるケースがあるので、必ず確認を行いましょう。

6.用途変更

 用途変更って聞いたことありますか?ほとんどの方が聞いたことないと思います。簡単に説明すると、倉庫として使っていましたが、今後はボルダリングジムとして使います。ということを行政機関に伝えなけるばなりません。その書類申請が素人では100%作成できないため、建築士にお願いをしなければなりません。私が見積もりをお願いした時は、約100万でした。ただし、建築基準法改正により200m2以下の用途変更で確認申請は不要となりました。また、場合によっては200m2以下でなかったとしても、用途変更の必要がないケースもあるので、相談だけであれば無料でしてくれる建築士も話を伺うのもありです。私は心配だったので、200m2以下の物件でも一応相談と確認だけはしました。

 また、用途変更が必要となると、固定資産税が上がる可能性があります。そうすると、最初は貸すことに前向きだった大家さんの負担が大きくなるため、用途変更が必要なら貸しません。となる場合もあるので注意しましょう。

自分の理想に近い物件を探す


 以上が物件を探す難しさや問題点になります。完璧を求めすぎるあまり、チャンスを逃す事もあれば契約した直後にいい物件が見つかる事もあると思います。ある程度の妥協点を考えて、自分に合った物件を見つけることをオススメします。いつ、最高の物件に出会うかは運です。そこで何年、何十年と商売していくことも想定して、しっかりと考えて選びましょう。

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