コンセプトの見える化ができたら、いよいよ物件探しです。初めに言っておきますが、一番苦労して時間がかかったのが、物件探しです。「融資が一番でしょ!」っていうオーナーさんもいるかと思いますが、個人的には物件探しが大変でした。
まず、ボルダリングジムの物件条件を7つほどあげてみました。
物件の条件
- 天井の高さと建物の広さ、設備
- 家賃
- スケルトン物件を探す
- 駐車場
- アクセスのしやすさ
- 他店舗との距離
- 周辺人口
いやいや、多くね?と思った方もいると思いますが、一応参考までになんで…。
1.天井の高さと建物の広さ、設備
ボルダリング壁の高さは、約4mくらいあります。そうなると、壁の高さと比例して天井の高さも必要となります。また、建物が狭すぎると窮屈なイメージになるし、広すぎても家賃が高いし、エアコンの効きも悪くなると思ったので、広さは50〜70坪くらいと考えました。また、トイレや水道などあらかじめついている場所であれば、余計な出費も少なくなるので現状設備もしっかりと確認しておきましょう。
2.家賃
当たり前ですが、貸店舗になると、家賃が発生します。購入したとしても税金がかかります。自分の予算、見込み客、キャッシュフローなどを考えて、決めましょう。家賃は安ければ安いほどいいと思います。持ち主さんと交渉してみるのもありですね。
3.スケルトン物件を探す
内見すると、前に借りていた方が残置していった物があったり管理が杜撰な物件だったりするとそもそも借りたくないと思います。また、部屋がいくつもあったり仕切りがあったり柱が複数立っていたりする物件はやめましょう。ボルダリング壁が施工できなかったりマットが設置ができなかったりするので、広々とした建物の方が適していると思います。
それと、なるべく建物は正方形に近い形の方が良いです。理由としては、細長い長方形の建物の場合、ボルダリング壁が向かい合う形で施行すると、安全確保ができない、マットを敷くスペースがない、そもそも壁と壁が干渉して施工できないなどの可能性が出てくるからです。
4.駐車場
都心部であれば必要ないと思いますが、群馬県は車社会です。駐車場がないとなると、大問題です。「行きたいけど、駐車場がないなら行けないな。」となってしまいます。駐車スペースは、あればあるほどいいですが、そうすると家賃が上がるので、予算と相談しながら決めましょう。
5.アクセスのしやすさ
車社会ならある程度はカバーできますが、高速インターが近かったり国道の近くだったりしたほうが、車で行きやすいと思いますし、ジムに行く際にお客さんが場所を把握しやすいと思います。また、学生を呼び込みたいと考えている方は、駅近であれば自転車でも行けると思います。店舗のターゲット層を頭に入れながら最適な場所を探しましょう。
5.他店舗との距離
多店舗との距離が近すぎるとお客さんの取り合いみたいになりそうですし、そもそも新しい店舗よりも前からある店舗の方が知名度もあり常連さんもいると思うので、集客はかなり難しいと思います。ある程度の距離感があった方が、気持ちよく営業ができます。どうしても、他店舗と近くなってしまった場合は、近くない場合でもそうですがターゲット層が被らないように私は意識しました。「Aが大人向けならBは子供向けにしよう。」など考え方しだいで、お互いが気持ちよく営業ができるし、新規顧客を獲得しやすいと思います。しかし、それが本当に自分のやりたいことになるかは、また別の話にですが。
6.周辺人口
人口が5万人未満の地域はかなり厳しいかなと考えています。信憑性はありませんが、地域の人口からクライマーの割合を計算してみたところ「5万人でギリギリやっていけるかな?」と感じるくらいでした。隣接している地域人口が多い場合は、可能性があると思います。しかし、人口が多い地域に出店する方が経営する際に安心感があります。もしかしたら、地域によっては競合がいないため、人口が5万人未満でも考え方・やり方しだいでチャンスになるかもしれません。
7.周辺状況
近くに工場や空き地の場合、多少の大き音は大丈夫だと思います。近くが住宅地の場合は騒音に注意しなければいけません。飲食店であれば匂い、道路の近くであれば排気ガスなどいろいろな状況が考えられます。逆にメリットにもなると思いますが、想定できる問題は未然に防げるように意識しました。
理想はあくまで理想である
7つもご紹介しましたが、運が良ければ素敵な物件があると思います。ですが、完璧な物件はそうそう見つかりません。自分の中である程度の折り合いをつけないと、一向に事が進まない状況になってしまいます。
次回は、なぜ物件探しが一番大変だったかを説明していきます。