再び、繋がる

再び繋がる

 繋がりの説明をしましたが、もう一つ大切なことがあります。それは「再度、繋がる」ということです。ランドマーク開業に向けて、動いていると心残りがあることを思い出しました。それは、一度、断った繋がりです。私は、たくさんの縁に恵まれ、助けられ、支えられて生きてきました。先日、一緒に働いていた職場の方が、わざわざジムに訪れてくれました。その時に、嬉しさと共にいろんなことがよみがえってきたので、お話しさせてください。(長くなりますので、お付き合いしていただける方だけ読んでいただけたら幸いです。)

 

一年目

 仕事を始めたての時、右も左もわからない私に仕事を教えてくれた方がいました。全く違う部署でしたが、仕事の引継ぎの時に仲良くなり、何かあればアドバイスをくれたり助けてくれたりしてくれました。仕事を辞めた時、「もう一度、一緒に仕事をしたかった。」と強く思うほどでした。実は、偶然にも声をかけていただき、短い期間でしたが、一緒に仕事をすることになり、再開することができました。願いが叶った瞬間です。

「あの言葉」

 「この仕事、向いてないな。」と思った決定的瞬間がありまして…。今では笑い話にしていますが、当時を振り返ると「すごい経験をしたな。」ということだけ覚えています。
 なかなか慣れない環境で、毎日が必死で、悩みを相談することができず、自分の感情をすべて「無」にして仕事をしていました。そんな状態で長く続けらえるわけもなく、限界を迎えます。
「よし、今月で辞めよう。」
 誰も自分が辞めるなんて思ってもいなし、誰も気にかけない。「あいつなら大丈夫。」とも言われました。「あと少しで今月が終わる。」そんなことを思いながら、仕事をしていると「お昼を食べに行こう。」と声をかけてくれる人がいました。
 頭の中では、「早く食べて帰ろう。」と失礼なことを思いながらも、仕事の話をしながら食事をしていました。そんな私に一言。
「大丈夫?」
 この一言でどれだけ救われたか、この一言でどれだけ心が軽くなったか。たった一言ですが、人生を大きく変えた一言となりました。

「あの時」

 何とか乗り切れた一年でしたが、「この年度で、仕事を辞めよう。」と決意。そんな時に一本の電話が。私が仕事を辞めることを知り、わざわざ電話をかけてくれた「ある人」がいました。あの時の電話のおかげで、「もう一度、頑張ろう」と思うことができ、去年の苦しみは「何だったの?」と思うほど楽しく仕事をすることができました。
 苦しく辛い時期が何度もありましたが、そのたびに気が付くと助けてくれる人がいて。本当に人との縁に恵まれてると感じています。

繋がりを断つ

 しかし、結局は仕事を辞めてしまい現在に至ります。そんな時に私は、「助けてくれた人の期待を裏切ってしまった。」と思ってしまったのです。仕事を続けていくことで恩返しをしようと思い、頑張ってきたのですが。自分のやりたいことを見つけ、仕事を辞めてしまいました。助けてくれた人たちの思いや期待を裏切ったと思いこみ、「怒っているかもしれない。」「恨まれてかもしれない。」と思うと怖くて、「そんなに悩むなら関係を切ってしまえばいいや。」と思い、 繋がりを断つことで、楽になろうと考えました。
 そのことを知り合いに相談すると、「絶対にそんなこと思ってない。」と断言。「元気にしてます。その報告だけでうれしいはずだよ。」そんな言葉をもらった私は、連絡を取ることを決意しました。

再び繋がる

 もう一度繋がるために、お世話になった人に自分の現状やジム開業のことを伝えるため、連絡を取ると「夢に向かって頑張れ。」「応援してるよ。」など、励ましの言葉をたくさんいただきました。私のことを助けてくれた人たちが、そんな心の狭い人物なわけありません。
 しかし、ジムを開業しなかったらきっと連絡をすることは無かったし、再度、繋がることも無かったと思います。開業に踏み切ったことで、再び繋がることができ、自分の心のモヤが消えていきました。

ランドマークのあるべき姿

 ボルダリングは娯楽の一種のため、必ずしも生活に必要な物ではありません。ボルダリングがなくても生きていけますし。それ以上に楽しいことが世の中には多くあると思います。しかし、私のようにボルダリンを通して、人と新たに繋がったり、再び繋がったりすることがあります。ランドマークの目指すべき姿は、そこにあるのではないかと私は考えています。新しい人と繋がったり、再び繋がるきっかけになったリ。例えば、ランドマークがあったおかげで、「趣味の幅が広がり仲間ができました。」や「ランドマークがきっかけで、結婚しました。」とか…。「同級生と再開するきっかけになりました。」みたいな繋りができたら面白いですよね。
 ランドマークは、人々の生活に結びつくような場所にしたいと私は思っています。このようなことを考えるようになったのも、「私を助けてくれた『あの人』みたいな存在になりたい。」と今でも思っているからです。「あの人」がいたから「あの場所」があったからというのが、ランドマークがきっかけで生まれたら最高だなと思っています。
 『あの場所』があってよかったと呼ばれるような自然と人と人が繋がる店舗を目指し。『あの人』がいてくれてよかったと言われるような人物を私自身は目指していきます。ボルダリングは、スポーツや娯楽という枠からは、なかなか抜き出すことができません。だけど、ボルダリングにはスポーツの魅力とは違う何かを見いだせる可能性があると私は信じています。そんな私もボルダリングで人生が変わった一人です。

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